<医療費,介護費が高額になった!>健康保険における高額介護合算療養費について

 1年間の医療費と介護費の自己負担額(合算額)が高額になった場合には、それを補填する目的で健康保険において「高額介護合算療養費」という制度があります。所得別に上限を設けて、それ以上の自己負担については、払い戻される制度です。上手に利用して、高齢になると嵩んでくる医療費や介護費を節約しましょう。

支給要件について

 同一世帯における下記1.~3.の合計額が、介護合算算定基準額(下記の表を参照)を超えたときに、療養の給付等(※1)を受けた被保険者に高額介護合算療養費が支給されます。(医療保険と介護保険から、負担額の比率に応じて支給されます)

  1. 一部負担金等の額(高額療養費の支給額を控除した額)
  2. 介護保険法における介護サービス利用者負担額(高額介護サービス費が支給される場合にあっては、当該支給額を控除して得た額)
  3. 介護予防利用者負担額の額(高額介護予防サービス費が支給される場合にあっては、当該支給額を控除して得た額)

 なお、支給要件、支給額等については、高額療養費の規定が準用されています。

計算期間について

 計算期間である「前年8月1日から7月31日まで」の期間の末日(7月31日)が基準日とされ、その期間に被保険者が支払った一部負担金等の額ならびに介護サービス利用者負担額および介護予防利用者負担額の合計額が対象となります。(いずれも、自己負担限度額までが合算の対象となります)

介護合算算定基準額について

 介護合算算定基準額は下記のとおりです。

(1)70歳未満の方のみが対象の場合

  1. 21,000円以上の自己負担額を、「受診者、医療機関、通院、入院,医科、歯科」別に、世帯単位で合算します。
  2. 1.で合算した自己負担額に、下表の自己負担限度額を適用し、支給額を計算します。
    所得区分  基準額   
標準報酬月額:83万円以上  212万円
標準報酬月額:53~79万円  141万円
標準報酬月額:28~50万円  67万円
標準報酬月額:26万円以下  60万円
被保険者が市町村民税非課税者等  34万円

(2)70歳以上75歳未満の方のみが対象の場合

 合算した自己負担額に、下表の自己負担限度額を適用し、支給額を計算します。

    所得区分  基準額   
標準報酬月額:83万円以上  212万円
標準報酬月額:53~79万円  141万円
標準報酬月額:28~50万円  67万円
標準報酬月額:26万円以下  60万円
住民税非課税  34万円
住民税非課税(所得が一定以下)  19万円

(3)70歳未満と70歳以上75歳未満の方が混在する場合

  1. 70歳以上75歳未満の方の自己負担額に、70歳以上75歳未満の自己負担限度額を適用し、支給額を計算します。
  2. 70歳以上75歳未満の方のなお残る自己負担額と70歳未満の方の自己負担額を合計します。
  3. 2.の合計した自己負担額に、70歳未満の自己負担限度額を適用し、支給額を計算します。
  4. 1.の支給額と3.の支給額を合算した額が、世帯全体の支給額となります。

注釈(補足説明)

(※1)療養の給付等は、当該一部負担金等の額に係る療養の給付または保険外併用療養費、療養費もしくは訪問看護療養費、家族療養費、家族訪問看護療養費のことです。

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