最近、短時間労働者の社会保険加入義務について、よく取り沙汰されていますが、「年金強化法」の施行により、平成28年より順次、短時間労働者について社会保険の適用が拡大されています。
適用拡大の基準に該当する場合は、今まで健康保険の被扶養者(国民年金の第3号被保険者)であっても社会保険の加入義務が出てきます。
従来、所定労働時間または日数が正社員の4分の3未満の人は社会保険の適用外とされていましたが、施行後は下記の一定の基準を全て満たすと短時間労働者として社会保険が適用されます。
- 週の所定労働時間が20時間以上あること。
- 雇用期間が2か月以上見込まれること。
- 賃金の月額が8.8万円(年収106万円)以上であること。
- 学生でないこと。
- 被保険者が特定適用事業所(常時、被保険者が101人以上)に努めていること。
よく社会保険(健康保険、厚生年金)において「被扶養者(第3号被保険者)となるためには年収を130万円未満に抑えること」といわれますが、上記の要件に全て該当した場合は、こちらのほうが優先されてしまいます。
つまり、被扶養者(第3号被保険者)となるためには、上記1~5の要件には該当せず(いづれか1つでもOK)、かつ、年収130万円未満等の被扶養者(第3号被保険者)の要件に該当しなければ認められないわけです。
そのため、もし加入したくない場合は、勤務時間の見直し等が必要になってきます。
つまり、上記要件の1~5のうち1つでも該当しなければ、加入しなくてもよいため、年収130→106万円未満に抑える等の見直しが必要となってくるわけです。
細かいところは割愛していますが、大まかに申し上げますとこのようになります。
なお、令和6年10月1日には、特定適用事業所の適用要件が、常時100人超から50人超になるなど、改正が予定されているようですので、対象者が一段と増加することになりそうです。今後の動向にご注意ください。
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