<落とし穴あり!>遺族年金関連の併給調整について確認しておきましょう

 遺族年金関連の併給調整については、気になるところだと思います。わかりやすく、まとめてみましたのでご確認ください。

遺族厚生年金と他の年金たる保険給付の併給調整

 遺族厚生年金の受給権者が、他の年金たる保険給付(他の遺族厚生年金も含む)を受給できる場合は、下記の遺族厚生年金と老齢厚生年金の併給の特例を除き、いずれかを選択することになります。

 一般的には、年金額の有利なほうを選択することとなりますが、選択しなかった年金は、その間、支給停止となります。(ただし、将来に向かって、いつでも選択替えの請求は可能です。)

遺族厚生年金と老齢厚生年金の併給の特例

 遺族厚生年金の受給権者が、他の年金たる保険給付を受給を受給できる場合は、いずれかを選択することになりますが、老齢厚生年金については特例があります。

 つまり、65歳以上で、老齢厚生年金と遺族厚生年金の受給権を有する遺族の場合、次のうち、いずれか高いほうが支給されます。

  1. 死亡者の老齢厚生年金の報酬比例部分の額の4分の3(短期要件の場合は、被保険者期間を最低でも300月とみなす保証があります)
  2. 死亡者の老齢厚生年金の報酬比例部分の額の2分の1+遺族厚生年金の受給権者が有する老齢厚生年金の2分の1

 ただし、遺族基礎年金を併給する場合は、1.の方式となります。

 また、以下の方には上記方式は適用されません。

  • 平成19年4月1日前に遺族厚生年金の受給権を有している、昭和17年4月1日以前生まれの方
  • 平成19年4月1日前に旧法の老齢年金を受給しており、平成19年4月1日以後に遺族厚生年金の受給権を取得した方

 この場合は、「遺族厚生年金の受給権者が有する老齢厚生年金」、「上記1.の方式で計算した遺族厚生年金」、「上記2.の方式で計算した遺族厚生年金」のうちのいずれかを選択します。

 なお、いずれの方式においても、老齢厚生年金が優先的に支給され、残りが遺族厚生年金として支給されます。(つまり、税金のかかるほうが優先されます)

遺族厚生年金と老齢基礎年金の併給調整

 65歳以降は、遺族厚生年金と老齢基礎年金は併せて支給を受けることができますが、老齢基礎年金の繰り上げを請求した場合は、65歳までどちらか一方の選択となります。

 仮に、遺族厚生年金を選択した場合、繰り上げた老齢基礎年金は65歳まで支給停止となり、65歳以降は減額された老齢基礎年金の支給となりますのでご注意ください。(かなり、不利ですね)

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